なぜ左派は負け続けるのか

なぜ日本の左派はこんなに弱いのか?ネトウヨが歴史を振返りながら考察するブログ

【政治】加計学園スクープー低レベルの朝日新聞とそれに飛びつく人たち

 

加計学園の新学部「総理のご意向」 文科省に記録文書:朝日新聞デジタル

 

加計計画「できない選択肢ない」 内閣府要求の日時記録:朝日新聞デジタル

 

 

加計学園をめぐる朝日の一連のスクープは酷い。どこの誰がいつ作成されたかも分からないものにいちいちコメントはしないと菅官房長官に一蹴していたが、当然だ。

 

そもそも内部リークの信憑性は「人」と「物」に左右されるものだ。誰がリークしたか、関与した人物は信頼できる人間か。そしてその人物が持っている内部の証拠、もしくは証言を信用できるか。人と物、その二つを信じられなければ内部リークは意味を持たない。

 

森友学園でみれば、「人」は籠池理事長であり当事者として疑いようがない。だからこそ皆、あの人に振り回された。信頼できる内部の人間なら確実な物証をだせるだろうと期待したからだ。しかし籠池理事長は「物」を出せなかった。ここで森友学園騒動は行き詰った。

 

そして加計学園である。誰がリークしたのか、そもそもこの書類は文科省のものなのか?「人」と「物」どちらも不明確だ。はっきりいってこんなもの森友学園以下である。

書いてある内容がもっともらしくてもその文書が本物であると証明することにはならない。

危ない文書ほど「詠み人知らず」に 文科省関係者が証言:朝日新聞デジタル

朝日もその辺の批判がくることが分かっていたのだろうが、「詠み人知らず」では反論になっていない。作成日時も作成部局もない、誰がリークしているのかも分からない。「人」も「物」も明確にならないままで。これを信じる人がいるのが信じられない。

 

一方アメリカでは

CNN.co.jp : トランプ氏が「捜査中止を要請」 解任のFBI長官がメモ - (1/2)

コミー氏はこれに驚き、トランプ氏が捜査を阻止しようとしているとの懸念を抱いたため、メモに記録してFBI高官らに見せたという。同情報筋によれば、コミー氏はトランプ氏とのほかの会話などについても複数のメモを残していた。

「前FBI 長官」の「メモ」である。これが出てくれば疑う人はいないだろう。 

 

そして大統領が弾劾された韓国では

朴槿恵政権の「崔順実ゲート」(上)「メディアvs.青瓦台」3カ月の死闘:平井久志 | 朝鮮半島の部屋 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト

しかし、1台のタブレットが、朴槿恵大統領の思惑を壊しただけでなく、朴槿恵政権を根元から揺るがせる事態を生み出した。有力紙、中央日報系列のケーブルテレビ総合編成チャンネル(総編)「JTBC」は朴槿恵大統領の改憲提案演説の数時間後、朴槿恵政権の影の実力者といわれてきた女性、崔順実氏のタブレット・パソコンを入手したと報じた。それを分析した結果、崔順実氏が大統領の演説文を事前に入手していただけでなく、それを手直ししていた事実が明らかになったとした。 

 「崔順実」のタブレットpcから出てきた「大統領演説の草稿」である。これを見た人は崔順実が国政に深く関与していることを疑わないだろう。

 

翻って日本では・・・。誰が書いたのか、どこから出てきたのか不明な文書を主要メディアが一面でスクープ扱いし、「これは決定的だ!安倍も終わりだ!」と騒いでいる。もうね、レベルが低すぎてみているこちらが恥ずかしい。もう少し外国を見習ったらどうだろうか。

 

 

【政治】2014年衆院選予想ー野党共闘という失敗

【政治】今、解散総選挙をした場合の結果を予想してみる - 政局観察日記

 

私は自民党が現状維持か10議席近く増やすと思っているが、その辺を詳しく書いていく。

 

今回の衆院選のポイントは『都市型政党の野党共闘という戦略ミス』だろう。

 

  • 相手の土俵で戦おうとしている野党

都市型政党は基本的に比例議席に依存する政党である。それは民主党や旧みんなの党、旧維新の会などを見ればよく分かる。組織や資金力に勝る自公に対抗する為には都市部無党派層の比例票を取り込み選挙区での劣勢を挽回するというのが小選挙区比例代表制になってからの都市型政党の戦い方だ。

 

しかし今回野党共闘という形で民主や維新は候補者を絞っている。これは即ち民主と維新の比例票が伸び悩むどころか落ち込む可能性すらあるということだ。選挙区に候補者を立てることと比例票の増減が関係あるのかと思われるかもしれないが、実はその二つは密接に繋がっている。何故共産党が供託金を没収されながらも全ての選挙区に候補者を立てるのか。何故今回社民党が到底勝てそうも無いのに選挙区に何十人も立てようとしているのか。理由は選挙区で候補者を立てれば比例票の掘り起しができるからである。

 

都市型政党にとって比例は主戦場。ここで稼がないと全体の議席は伸びないというのが今までのパターン。それにもかかわらず選挙区の候補者を絞るなんて自殺行為じゃね?と思うのである。

 

 得意とする比例を捨てて都市部での選挙区を戦おうとする今の野党共闘はどう見ても上手くない。2010年参院選自民党は比例を捨てて一人区に全力を傾けたが、あれは当然の戦い方だった。自分達の得意とするところをまずはがっちり押さえて、それから相手と向かい合うというのがまあ普通の戦い方なはずなのだが、今回の都市政党の共闘はそれとま逆の戦略である。

 

候補者減による比例票減を選挙区でカバーしようとしているのだろうが、政権を積極支持しない人でも選挙区は自民、比例は野党というバランスをとった投票行動をすることが多いから、そのへんでもチグハグというか。このまま野党共闘で突っ込めば比例は減るし選挙区の議席も思うように取れなかったという結末になる空気を濃厚に感じる。

 

そもそも世論調査の投票先でも自民党が圧倒しているのを見れば、ドライブのかかる小選挙区制度の元では結果がどうなるのかは容易に想像できるが、その上に野党の戦略ミスが重なるとなると、それはもう300議席を超えるかどうかの話に当然なってくるわけである。

 

 

最後に個人的な議席予想としては大雑把にこんな感じ(修正)↓

自 300

公 30

民 80

維 25

次 5

共 20

生 2

社 2

無 6

浮いた議席 約15

 

この浮いた議席をどこに振ろうか迷った。普通に考えれば民主党維新なのだろうが、今回の選挙戦の態勢を見る限りそこまで伸びるとは考えにくい。ちなみに今回の民主党候補者数の規模は96年の民主党や去年の維新の会と同じくらい。その上世論の支持はない。80以上に伸ばせるパワーは無いように見える。維新の党にいたっては候補者が半分以下に減っているので激減は避けられない。

 

こうなってくるとこの15議席自民党に入る事になるのだが、自民単独で315・・・基本自民支持の私でもさすがに引く数字である。政党単独で310を超えることなどできるのだろうか。しかし小選挙区制度で投票先調査でも圧倒、そして野党の戦略ミスが重なるとなると可能性としてはあり得る。

 

自民圧勝、民主増、維新減、共産躍進、その他壊滅というのはもう殆どの人が予想してるし、まずそうなるだろう。焦点は圧勝する自民党がどの程度の議席になるか。もしかしてみた事のないえぐい議席数をたたき出すかもしれない。

 

以上

 

【政治】今、解散総選挙をした場合の結果を予想してみる


増税先送りなら解散、年内にも総選挙…首相検討 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 

解散総選挙の話が首相周辺からやたらと流れるようになってきた。

 

仮に言われているように年末解散総選挙が行われた場合、その結果はどうなるだろうか?

 

自民党の圧勝

選挙戦の大枠として自民党の圧勝は揺るがない。なぜなら単純に資金力、組織力、候補者数において他の政党を圧倒しているからだ。295の小選挙区プラス比例で候補者を立てられるのは自民党しかない。また野党共闘といっても野党は都市政党ばかりなので共闘しても地方では票が伸びない為に効果は余り無い。

 

第三極の壊滅

前回の総選挙は激減する民主党議席をどの党が取るかの争いだった。結局は小選挙区を殆ど自民党が取り、民主党の比例を自民党維新の会が分け合いみんなの党も10議席以上民主党から奪った。今回は無党派層の支持を失った第三極議席(その殆どが比例)を自民党民主党どちらが奪うかの争いになる。そして、新報道2001の首都圏で行われた世論調査でも投票先で自民党民主党を圧倒しているので第三極議席は殆ど自民党が奪う事になる。

 

2012年を超える自民党勝利

前回の選挙同様、次回の選挙も予想を立てるのが非常に優しい選挙になる。維新の会とみんなの党が失速した。では、その浮いた議席を奪うのは?と考えれば現状自民党しかない。となるとおのずと結果も見えてくる。小選挙区だけでなく比例も自民党が圧倒するとなると想像を絶するえぐい結果になるだろう。

 

民主党も得をする

次期選挙は第三極の独り負けであり、自民党だけでなく民主党も利益を得る。それは野党第一党の地位が確かなものになるということである。いちいち維新みんなの党などに気を使う必要も無くなり、反政権の票も独占できるようになる。枝野が解散歓迎みたいなことを言っていたが、その意味するところはこの辺りだろう。自民党が圧勝するだろうが、民主党も次の政権交代に向けて一歩を踏み出せる。

 

ジョーカーを使うべきか

今回の解散話に対して個人な感想としてはこんなところでジョーカーを使うのはもったいないというものだ。自民党は上にも書いたが物量で他党を圧倒しているのでいつ選挙をしても勝てる状況にある。そして内閣支持率政党支持率もまだまだ高い。こんな状況で早々にジョーカー=解散権を切るのは勿体無いように思う。

 

 

 

 

 

 

【おまけ】東電撤退に関する野村修也弁護士のtwiiterまとめ

 

おまけです。

 

国会事故調で委員をしていた野村修也弁護士が一連の東電撤退問題に関して分かりやすくまとめていたので紹介。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うう・・・なんという分かりやすさ。

 

こんな感じな事を自分も言いたかったのだ。笑。

 

これに付け加えるとしたら菅元総理ヒーロー説を菅直人や当時の官邸メンバーが事故直後の証言を変えてまで広めた動機についてである。これは推測だが彼らは官邸の過剰介入を正当化したかったのではないかなと。東電が逃げ出そうとしていたなら福島第一原発の現場視察も東電本店乗り込みも菅直人が怒り狂っていた事も全てが正しい事になる。

 

自分達の過剰介入を正当化したい菅直人らの主張する東電が逃げようとしたという話は原発を止めたい朝日新聞にとっても魅力的な『分かりやすい話』だった。『東電全面撤退』はそうした東電を悪者にすることで利益を得ようとする両者による悪魔合体の産物だったのだろうと思う。

 

 

朝日新聞社長の首を飛ばした木村英昭×宮崎知己ー3年半に渡った東電撤退問題の結末

 

朝日新聞が「吉田調書」記事を訂正へ NHKニュース

吉田調書「命令違反で撤退」記事取り消します 朝日新聞:朝日新聞デジタル

 

吉田調書スクープに関しては大体予想通りな結果だった。吉田調書の一部分に飛びついて碌に裏づけを取る事も無く『命令違反』『撤退』とぶち上げたが、やはり他に根拠は何もなかった。

 

ただ情報が錯綜していた社長の進退に関しては事実上の辞意を表明することとなったのが少し驚きではあった。

 

福島第一の原発所員、命令違反し撤退 吉田調書で判明=おわびあり:朝日新聞デジタル

葬られた命令違反 吉田調書から当時を再現=おわびあり:朝日新聞デジタル

 

社長の首を飛ばすこととなったこの問題記事。書いたのが『木村英昭』であり解説を書いているのが『宮崎知己』という記者だが、この二人一体どんな人物なのだろうか。

 

木村英昭記者は驚くべき事に『プロメテウスの罠』第6シリーズの東電撤退問題を世に広く知らしめたあの『官邸の5日間』の筆者なのである。

 

つまり『東電撤退問題』を広めたのと同じ記者が吉田調書スクープで『命令違反で撤退した』と書いたのである。

 

一方、宮崎知己記者はプロメテウスの罠のデスクであった人物である。

 

彼らは一緒に原発事故に関する本を書いていたりする。

 

福島原発事故 東電テレビ会議49時間の記録

福島原発事故 東電テレビ会議49時間の記録

 

 

 

福島原発事故 タイムライン2011-2012

福島原発事故 タイムライン2011-2012

 

 

 こちらは木村記者単著。『官邸の5日間』に加筆したもの。

検証 福島原発事故 官邸の一〇〇時間

検証 福島原発事故 官邸の一〇〇時間

 

 

■吉田調書スクープの背景にあった事故調に対する不満

これは余り語られていない事だが、彼らが政府事故調の調書を手に入れようとしたその動機は一体なんだったのだろうか。

 

木村記者がインタビューでその辺りを述べている。

 

「報道の力で奪い返す」第13回早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞・連載「東京電力テレビ会議記録の公開キャンペーン報道」木村英昭記者に聞く | Spork

―早稲田付近のカレー屋でこの企画を決めたそうですが、当時の思いを教えていただきたいです。

 決めたのは国会事故調査委員会(以下「事故調」)の最終報告がまとまる時期でした。それについて見聞きしてかなり不満がありました。本来取材はどういう報告がまとまるのかということを事前に情報をとって特ダネで書くというのが基本のスタイルです。そして彼らの主張や調査の内容が本当に正しいかどうかを検証します。 最終報告書が出たら、朝日新聞を含めマスメディアはあたかも報告書を正しいかのように報道するでしょう。そうではなく、マスメディアもジャーナリズムの責任として一次資料の自己検証に取り組む必要があると私は思っています。一次資料というのは、当事者の証言やメモなどですが、今回一番生々しく検証できると私たちが認定したのが東電テレビ会議の映像記録です。事故調の報告書でも中心的な資料として活用されていましたが、事故調任せにせずジャーナリズムの責任で検証すべきです。

国会事故調の最終報告書に彼らがかなり強い不満を抱いた事がきっかけとなり、報告書の元となった一次資料の自己検証が始まったと書かれてある。

 

また問題となった記事では解説で宮崎記者がこう書いている。

ところが、政府事故調は報告書に一部を紹介するだけで、多くの重要な事実を公表しなかった。中でも重要な「9割の所員が待機命令に違反して撤退した」という事実も伏せられた。

ここからも彼らの目的が政府・国会事故調の報告書を『検証』することにあった事が伺える。

 

しかし検証する動機が事故調への不満であり、それが何かを考えていくと、彼らの目的が事故調報告書の単なる検証ではなく彼らのストーリー(プロメテウスの罠)と異なる結論を下した政府・国会事故調の最終報告書を否定するためのものだったことが見えてくる。

 

 彼らが政府・国会事故調に抱いた不満とは?

 

■政府・国会事故調報告書とプロメテウスの罠と東電撤退

答えから言ってしまうとそれは間違いなくあの『東電撤退阻止』問題が事故調に否定された事である。

 

政府・国会事故調の最終報告書が出される際、一番もめたのがこの東電は撤退しようとしたのか、菅直人はそれを阻止して日本を救ったのかという東電撤退阻止の問題であった。

 

国会事故調の最終報告の場に朝日新聞の記者が大挙して押し寄せ黒川委員長に東電撤退について次々と質問を浴びせていたことを今でも良く覚えている。

 

その辺りの事は2年前にも少し書いた↓

『東電全面撤退阻止』のデマを広めた朝日新聞 その1 - 政局観察日記

『東電全面撤退阻止』のデマを広めた朝日新聞 その2 - 政局観察日記

 

朝日新聞原発事故検証の中心となったのが『プロメテウスの罠』取材班。その中心人物だった宮崎知己記者と木村英昭記者。そして木村英昭記者は『菅直人東電撤退を阻止して日本を救った』ストーリーを原発事故対応の核心に据えたあの『プロメテウスの罠』第6シリーズ『官邸の5日間』、それをさらに加筆して出版された『検証 福島原発事故 官邸の100時間』の筆者であった。

 

『官邸の5日間』を書いた記者が政府・国会事故調の最終報告書に強い不満を抱いたというならば、それは『東電撤退阻止』を事故調の報告書が否定した事以外ない。

 

葬られた命令違反 吉田調書から当時を再現=おわびあり:朝日新聞デジタル

 吉田氏は「退避を考えた方がいい」と東電本店にも電話で伝えた。

 「2号機はこのままメルト(炉心溶融)する」

 「放射能が第二原発に流れ、作業できなくなる」

 吉田氏からの深刻な報告に、東電本店は撤退準備を急いだ。福島第二原発への撤退のタイミングなどを盛り込んだ「退避基準」の作成や、緊急時対策室を第二原発へ移す検討を始めた。

 吉田氏は聴取で「清水(正孝)社長が撤退させてくれと菅(直人)さんに言ったという話も聞いている」と証言している。

 吉田氏も事故対応とかかわりの少ない人の撤退には動いた。下請け作業員を帰らせ、第二原発に移動するバスを手配した。「樋口君という総務の人員」を呼び、「運転手は大丈夫か」「燃料入っているか」「(バスを)表に待機させろ」と指示したという証言が吉田調書にある。

 福島第二への撤退準備は着実に進んでいた。後はタイミングだった。

 

木村記者が『撤退』に異様に拘っているのは問題の記事からも分かる。吉田所長が『退避』といったり『退避基準』とあるにも拘らず、あえて『撤退』という言葉を繰り返し使っている。吉田調書では吉田所長が『撤退なんて言いませんよ』とはっきり言っているにもかかわらず、である。退避を撤退に置き換えようとするかなり悪質な意図を感じる。

 

また木村記者のインタビューで彼の報道姿勢を伺える箇所があった。

「報道の力で奪い返す」第13回早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞・連載「東京電力テレビ会議記録の公開キャンペーン報道」木村英昭記者に聞く | Spork

 ―事故から2年半以上経ちましたが誰にも責任が追求されていません。報道者としてどう思いますか。

 異常ですよね。原発事故は日本のジャーナリズムにとって2度目の敗北だと思います。一つは、戦争を止められなかった、アジアに侵略したということです。ジャーナリズムはここで一度敗北しています。今回は、結果として原子力発電所の事故を招いてしまったという意味で2度目の敗北です。原発事故は戦争と同じではないでしょうか。戦争の責任はだれも取っていませんよね。一億総懺悔という言葉がありました。国民みんなが悪いんだ、みなさん手を繋いで一緒に責任取りましょう、という。今回も誰も刑事責任を問われていません。これを許してしまっているのが僕たちですよね。ジャーナリズムはそれを許していいのでしょうか。

 

原発事故を起こした東電は悪であり、彼らの罪を問う事こそがジャーナリズムの仕事であると考えていたようだ。

 

原発事故を起こしながらも情報を隠蔽する悪の東電とそれを追及し暴く正義のジャーナリズム。こういう二項対立と悪を罰するべきという正義感が彼らの根本にあったと考えれば『官邸の5日間』や『吉田調書スクープ』で東電側関係者の証言が殆ど無かった事にも納得がいく。悪である東電の関係者の証言など彼らにとってみれば価値の無いものだったのだろう。

 

■まとめ

これらをまとめるとプロメテウスの罠から吉田調書スクープに至る経緯はこうなる。

 

木村英昭記者と宮崎知己記者には原発事故を起こした東電は悪であり彼らの罪を問わなければならないという思いがあった。これが『プロメテウスの罠 官邸の5日間』という官邸側の主張に従った東電撤退物語を生み出すこととなったのだが、東電側証言も取り入れた政府・国会事故調ではその偏った物語は否定される事となった。

 

それに対して不満を抱いた木村記者と宮崎記者は政府・国会事故調の報告書を否定する目的で報告書の一次資料の検証を行うようになった。まずは東電テレビ会議録画。そして吉田調書である。

 

そして彼らは見つけた。吉田所長が「本当は私、2F(福島第二)に行けと言っていないんですよ。福島第一の近辺で、所内にかかわらず、線量が低いようなところに1回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fに着いた後、連絡をして、まずはGMから帰ってきてということになったわけです」と述べているのを。

 

彼らは飛びついた。これこそ彼らの求めていたものだったからだ。やはり撤退していた東電の罪とその事実を隠していた政府事故調

そして吉田調書スクープ第一弾として華々しく打ち出されたのが

福島第一の原発所員、命令違反し撤退

葬られた命令違反 吉田調書から当時を再現

 という二つの記事であった。自分達の物語の正しさを証明し事故調の報告書を否定する彼らの一次資料検証の目的は果たされた、ように見えた。

 

しかし当時の現場の動きを知る者からすればこの報道は異様であり、また裏づけとなる当時現場にいた人間の証言も一切無かった事によりあちこちから疑義がなげかけられることとなり、今回の結末に至ることになった。

 

私の感想としては、東電撤退阻止という物語が事故調によって否定された為に、非常に限られた人間しかアクセスできない一次資料を使って自分達の物語に沿うように世論を誘導しようとした木村記者と宮崎記者の行為は明らかにレッドカードであり、批判の高まりによって朝日新聞が彼等を処分する事になったのは一先ず良かったと思う。

 

 ただこれも言いたい。今回の件は二人の記者だけの問題ではない。東電悪玉物語なら何でも良しとする朝日新聞や社会の空気が彼等をスター記者に押し上げたからだ。プロメテウスの罠の時点で木村記者と宮崎記者は偏った記者であることは明らかだった。特に木村記者の原発事故対応の記事は官邸の言い分しかない偏りすぎなものだった。それを批判するどころか賞賛し彼ら二人をスターにしてしまったのが今回の吉田調書スクープ誤報の根本の問題なのである。

 

 

 原発事故から3年半、東電撤退阻止という話に疑問を抱きずっとヲチしてきたけれどもまさか朝日新聞の社長の首が飛ぶ結末になるとは思わなかった。笑

 

初め吉田調書スクープを私の認識と全く同じと騒いでいた菅直人細野豪志とか『今回の記事も歴史の検証に貢献しうるものだと思います』と賞賛していた福山哲郎とか、ねえ、どんな気持ち?のaaな気分だが、まあもうどうでもいい。笑

 

木村英昭記者のツイッター垢も消えたし、彼ら二人にはこれから厳しい処分が下されるのだろう。『検証 福島原発事故 官邸の100時間』といった木村記者と宮崎記者の書いた本なども絶版になるのだろう。そして二人が最も深く関わった『プロメテウスの罠』の物語も今回の件で黒歴史化していく事になるのであろう。

 

3年半、東電撤退阻止という話に疑問を感じて色々ヲチしてきて、何でこんな変な話をみんな信じるのだろうかとイライラすることも多かったけれど、まあ今となってはそれもいい思い出。

 

確かに原発事故を起こした東電は批判されるべきだが、東電を批判すれば賞賛されるからと言って歪曲や捏造までするのはよくないというのがこの3年半の私の主張だった。そして今回の吉田調書誤報はその点を世間から批判されている。

 

まあしかし本当に良かった。落ち着くところに落ち着いた感じがする。記事を書いた記者は処分され、朝日新聞の社長は辞意を表明した。記者の関わったプロメテウスの罠にも疑問が投げかけられている。そして何よりもはや誰も東電撤退などと言わないだろう。

 

終わり方としてこれ以上のものはない。

 

 

【社会】朝日『吉田調書スクープ』はどこが問題なのか

慰安婦問題での朝日新聞バッシングが盛り上がる中、吉田調書スクープの方も批判が高まっている。

 

ただ朝日バッシングが前面に出すぎて、朝日の吉田調書スクープのどこに問題があったのかがいまいち見えにくいので自分なりに整理してみる。

 

問題となった朝日の『命令違反し9割が撤退』記事はこれである↓

福島第一の原発所員、命令違反し撤退 吉田調書で判明:朝日新聞デジタル

葬られた命令違反 吉田調書から当時を再現:朝日新聞デジタル

 

紙面では上の記事が一面で下の記事は2面だった。

 

ではこのスクープのどこに問題があるのか。

 

ポイントは二つである。

 

『命令違反』と『撤退』である。

 

■論点1ー『命令違反』か『伝達ミス』か

まずファクトとして吉田所長が

「次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fに行ってしまいましたと言うんで、しょうがないな」

と述べているように、1F周辺に留まるようにと吉田所長は言ったが職員は2Fに行ってしまったということがある。

 

朝日新聞はこれを1F待機命令を認識しつつ職員は2Fに勝手に移動したとして『命令違反』と表現した。

 

一方でこの朝日報道に異を唱える人たちは『いや職員の中では初めから退避するなら2Fという共通認識があった』と、そもそも吉田所長の命令を正確に認識していなかったと主張している。

 

吉田所長の命令を認識しながらそれでも現場から逃げ出した『命令違反』なのか、それとも命令が正しく伝わらず事前の認識のまま2Fに退避した『退避場所の伝達ミス』なのか。

 

これが論点の一つ目。

 

■論点2ー『撤退』か『退避』か

これはもう撤退問題では常識となってるのだが、撤退と退避は

『撤退』は『現場を放棄して人員を避難させる事』

『退避』は『現場に戻す事を前提に一時的に避難させること』

 という定義になっている。

 

言葉遊びとか言う人もいるが、東電内では両者は明確に分けられて使われていた事が国会事故調などの報告書から分かる。また、吉田調書でも吉田所長が『撤退なんて言いませんよ」と述べていることからも撤退と退避が全く異なる意味を持っていた事がここでも伺える。

 

さて朝日新聞は2Fに9割の職員が移動した事を現場放棄とみなし『撤退』と表現したわけだが、これに異を唱える人たちは『現場を放棄する意図など無かった。退避だ』と主張している。

 

2Fに移動した9割の職員が1Fに戻るつもりがあったのか、それとも現場を放棄したのだから戻る気など一切無かったのか。

 

これが論点の二つ目。

 

朝日新聞『吉田調書スクープ』の何が問題なのか

では朝日新聞による『吉田調書スクープ』、どこが問題なのか。

 

結論から言ってしまえば、『当時福島原発にいた職員の証言といった裏づけが一切無い事』である。

 

上であげた論点から分かるように、この問題を決定付けるのは当時1Fから2Fに移動した職員達の認識である。

 

彼らがその時どのように思って行動していたのか、命令を知っていたのか知らなかったのか、現場に戻るつもりはあったのかなかったのか、それによって1Fから2Fへの移動の意味が決まる。

 

原発の危機を目前にし恐怖に駆られて待機命令を無視し現場から逃げ出した『命令違反し、撤退』なのか、命令が上手く伝わらず退避は2Fという共通認識の下移動しただけの『退避場所の伝達ミス』なのか。

 

【吉田調書】第2への退避、吉田氏「正しかった」 元所員「命令違反ではない」本紙に証言+(1/3ページ) - MSN産経ニュース

吉田調書:元東電社員「戦う所長が支え」 - 毎日新聞

 

朝日新聞のスクープを否定する東電所員らの証言はちらほら出ているが、一方の朝日は未だ裏付ける証言が一切ない。

 

朝日新聞は何を持って『命令違反』『撤退』と判断し、そう表現したのだろうか?

 

おそらく吉田調書のあの部分しか朝日には根拠が無い。あれば撤退に執着する朝日新聞のこと嬉々として一面に出しているはずだ。

 

『1Fに待機と言ったのに2Fに行ってしまった』ということだけで『命令違反』『撤退』とぶち上げてしまったのが吉田調書スクープの実態であり問題なのだろうと思う。

 

【社会】東電撤退デマー退避が撤退に変わった時

 

 

■海江田のところで『退避』が『撤退』になった

【吉田調書】民主・海江田代表「経産相当時も撤退ではなく退避」 - MSN産経ニュース

東京電力福島第1原発事故に関し、政府の事故調査・検証委員会が当時の吉田昌郎所長に聞き取り調査してまとめた「聴取結果書」(吉田調書)をめぐり、事故当時経産相だった民主党海江田万里代表は19日の記者会見で「私は(経産相当時に)撤退ではなく退避という言葉を聞いた。撤退という言葉がどこから出てきたのかは今となってはつまびらかではない」と語った。

 

東電の退避計画がどの時点で全面撤退と官邸に誤って伝わったのかははっきりしている。海江田のところだ。

 

朝日新聞デジタル:海江田氏「東電、全員撤退と認識」 国会事故調で証言 - 東日本大震災

海江田氏は、事故直後に東電清水正孝社長(当時)から「第一原発から第二原発に退避する」と伝えられ、「全員撤退」と受け止めたことを明らかにした。

 

退避と聞きながら撤退という意味に取ったと本人が言っている。

 

撤退という言葉がどこから出てきたのかは今となってはつまびらかではない」と語った。

 

お前のとこだ、お前のとこ。

 

■もういい加減現実をみようよ

 

東電撤退デマに関してもう何回も書いてるけど、書けば書くほどバカらしさも増してくる。

 

14日の時点で東電本店と吉田所長の間で余剰人員の退避計画の策定が確認され、14日夜清水から海江田に原発作業員を退避させるという連絡があった。全面撤退、原発放棄だと思い込んだ海江田は退避を許可せず、繰り返しかけてきた清水の電話にも出なかった。海江田から話を聞いた枝野らは菅に報告。怒り狂った菅は細野に指示して吉田所長に確認を取った。吉田所長はまだ頑張れると答えた。(産経の吉田調書によれば吉田所長も細野に余剰人員の退避をつたえていたようだ)。東電本店だけが撤退しようとしていると考えた菅は清水を呼びつけ『撤退するな』と迫ったが、初めから撤退など言っていない清水は『撤退するわけではない』と否定。しかし菅は清水の否定に耳を貸さず東電本店に乗り込むことを決意。

 

15日朝、東電本店に突撃、東電幹部らや映像で繋がっている原発職員らに向かって『逃げるな』と叱咤した。その最中に4号機が水素爆発。東電は退避計画に従って50人を現場に残し残りの職員を退避させた。そして16日までには2Fに退避していた職員の内130人が戻った。

 

たったこれだけの話なんだけれど(いやあの時の3月15日の極限状態を考えれば「たったこれだけ」というのは相応しくないかもしれないが)何故かどうしても東電が撤退しようとしていたという事にしたい人たちが後を絶たない。

 

・14日の時点で退避計画が策定されていた

・清水は海江田に退避と伝えていた。

・清水は菅に対しても撤退を否定していた。

・吉田所長も細野に退避する事を伝えていた。

・15日4号機爆発後、余剰人員を退避させた。

 

どこに『撤退』の要素があるのか全く分からない。本店が独自に撤退を決めようとしたとか言う主張もあるが、海江田に退避と伝えている時点でそれもない。そもそも人員移動の権限をもつ吉田所長に相談もなしに決めれるはずも無い。

 

撤退を主張しているのは主に当時官邸にいた政治家ばかりだが、これも出発点である清水ー海江田のところで退避が全面撤退に変わっていることが明らかなので誤解に基づいた主張でしかない。それに彼らの証言を見れば分かるが『社長が直々に言ってくるからには重大な事に違いない。撤退に違いない』とか『官邸にいた東電関係者も撤退のような雰囲気だった』みたいな印象・推測ばかりで実は根拠となるようなものは無い。東電から撤退要請があったという政治家もいるが、繰り返しになるが清水が撤退といわなかった事は海江田自身が証明している。

 

本当に分からない。撤退しようとした動きや証拠は東電本店と現場の両方に無いし、福島第一原発では実際予定されていたとおりに『退避』が行われている。それにもかかわらず『東電原発を放棄しようとした。菅直人が本店に乗り込んで止めたからこそ日本は救われた』みたいなことを未だに信じている人は何を見てるのだろうか。ちょっと私の理解を超える。

 

 あと、朝日新聞の吉田調書スクープだが、あれは全く話にならない。

 

まず本当に現場放棄したなら退避翌日の16日時点で130人も1Fには戻らない。

 

 参詣の記事にも尤もな証言が載っていた。

 

【吉田調書】第2への退避、吉田氏「正しかった」 元所員「命令違反ではない」本紙に証言+(1/3ページ) - MSN産経ニュース

  別の東電関係者も「当時自家用車で第2へ退避した人も多く、逃げるのであればそのまま避難所にいる家族のもとに行っているはずだ。しかし、彼らは第1へ戻ってきた」と話した。

 

現場放棄して逃亡した人間が2Fに留まるわけねーだろという、ごもっともな話である。笑。

 

命令違反で1Fから逃げ出した職員が福島原発には留まり、翌日100人以上も1Fに戻るってありえるのか。ありえねーだろ常識的に考えて。

 

まあ産経の吉田調書抄録を見てると、確かに朝日が調書利用するなら吉田所長の意図に反して職員が2Fに退避した部分しかないだろうけど、それでも無理やりすぎる。

 

東電原発から逃げようとした、という話は分かりやすくて色々利用しやすいのかもしれないが、事故から3年以上経つのだからもういい加減落ち着いて現実をみるべきだと思う。

 

いやもう本当、これこんなに大騒ぎする話じゃない。

 

シンプルでバカらしい話なんだよ。

 

現実をみようよ、撤退とか未だにいってる人たちは。