なぜ左派は負け続けるのか

なぜ日本の左派はこんなに弱いのか?ネトウヨが歴史を振返りながら考察するブログ

菅による東電全面撤退阻止という悲しい夢

相変わらず菅が東電の全面撤退を阻止して日本を救ったというデマがネット界隈では広まっている。



東京を救ったのは菅首相の判断ではないか - WEBRONZA+科学・環境 - WEBマガジン - 朝日新聞社(Astand)

撤退を止めたのは菅首相だ。枝野氏らは問題の深刻さから「首相しか判断できない」として、午前3時20分に仮眠中の首相を起こした。

 菅首相は、「もし、撤退したら、1〜3号機の原子炉と4号機の使用済み燃料プールは制御できなくなって順番に爆発し、放射能が飛散して、東京までも避難することになる。チェルノブイリどころではない」といい、東電に断念させた。「撤退したら東電はつぶれる」といった言葉が報道されたが、「撤退したら東京がつぶれる」とも言っていた。

 私は、この判断ひとつだけでも、「官邸の介入は成功した」と考えたい。その時も菅氏は周囲に相当どなったらしいが、そんなことはどうでもいい。あそこで、原発のコントロールを断念していたら、首都圏も住めなくなっていたかも知れない。


左派の人たちは菅直人を擁護するときに必ずこの「東電全面撤退阻止」を持ち出す。

まあ菅直人の「アピールポイント」がそれしかないのだから仕方が無いが。

ただ残念ながら、その「東電全面撤退阻止」は菅自身が否定している「デマ」でしかない。



■菅自身が否定している「東電全面撤退」

「東電全面撤退」および東電怒鳴り込みがあった3月15日が実際どうだったのかというのは「やマスコミの報道で大体分かっている。


清水社長が選択肢として(必要人員を残して)撤退も考えていることを寺坂保安院長らに電話で伝える

寺坂らから関係閣僚に東電撤退の情報が伝わる。

報告を受けた菅総理が清水社長を官邸へ呼び出す。

全面撤退するのかと問われた清水社長は「全面撤退ではない」と答える。

情報共有化のために菅総理が統合本部の設置を決める。

菅総理東電本店に乗り込む。


大まかにこういう流れだ。

「東電全面撤退」は東電と官邸の間で認識の齟齬により生まれた誤解であり、清水が官邸で否定し認識が共有された時点で存在しない話なのだ。

そして、清水が全面撤退といわなかったことは菅直人自身が4月18日の参議院ではっきりと答弁している。


30分辺り〜

枝野ら当時の閣僚が「清水が全面撤退をしたそうな雰囲気だった」といった証言をしているが、これらは4月18日の菅の答弁と全く反している。

(※ただ、私自身は事故調の中間報告やプロメテウスの罠にあるように官邸で政府首脳と清水が認識を共有したとは思っていない。なぜなら認識が共有されたならその後の「東電怒鳴り込み」ということはありえなかったはずだからだ。実際は、官邸で清水が全面撤退を否定したにもかかわらず、菅をはじめ当時の政府首脳部は東電が全面撤退しようとしていると思い込み続けたのではないか。そうなれば「東電怒鳴り込み」も東電全面撤退を未だ主張している当時の閣僚らの証言も説明がつく)


■消える左派が見る最後の夢

菅自身が否定している動画すらあるのに未だに菅直人が日本を救ったと信じている人々が多くいるのはなぜだろうか。

菅直人に最後の夢をみた左派 - 政局観察日記に書いたように、この盲目的な菅直人賞賛の背景には左派の政治的に著しい衰退がある。

有力な政治家が全くいなくなった左派は脱原発を掲げた菅直人を賞賛するしかないのだ。

もう他に誰もいないのだ。

誰も。

だから彼らは夢を見る。

脱原発菅直人が日本を救ったのだと。

自民党など他の政治家なら救い得なかったのだと。

しかし、それは事実ではない夢。

デマとifという悲しい夢。

消え行く者たちが見る甘美で悲しい最後の夢なのだ。