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なぜ左派は負け続けるのか

なぜ日本の左派はこんなに弱いのか?ネトウヨが歴史を振返りながら考察するブログ

『東電撤退』の中間まとめ

3月15日を巡る『東電全面撤退』とそれに伴う「菅の東電怒鳴りこみ』に対する認識が東電側と当時の官邸側で食い違っている。

両者の証言の違いはもはや『藪の中』のようになっているので、ここらで少し整理してみたいと思う。



■東電側の主張

全面撤退等に関する東電側の反論

9月11日放送 TBS「震災報道スペシャル 原発攻防180日間の真実」における報道について|TEPCOニュース|東京電力

3.当社が現場からの全面撤退を考え、それを国に伝えたという報道がなされていますが、そうした事実はありません。すなわち当社が国へ申し上げた趣旨は「プラントが厳しい状況であるため、作業に直接関係のない一部の社員を一時的に退避させることについて、いずれ必要となるため検討したい。」ということであります。
 なお、この点について、4月18日と5月2日の参議院予算委員会で、菅総理(当時)は「社長にお出ましをいただいて話を聞きました。そしたら社長は、いやいや、別に撤退という意味ではないんだということを言われました。」(4/18)※1、「ある段階で経産大臣の方から、どうも東電がいろいろな状況で撤退を考えているようだということが私に伝えられたものですから、社長をお招きしてどうなんだと言ったら、いやいや、そういうつもりはないけれどもという話でありました。」(5/2)※2と発言されています。これは、当社が認識している事実関係と一致するものと考えています。

※1:2011年4月18日参議院予算委員会:参照(30:00辺りから)
※2;2011年5月2日参議院予算委員会参照 (29:00辺りから)


武藤東電顧問(前副社長)の国会事故調における証言

電気新聞

武藤顧問は全面撤退に関して 「3月14日夜から15日未明にかけて2号機の状況は厳しかった。 免震重要棟には700人がいて、2号機を何とか落ち着かせようといろいろな作業を試みていた」 と説明。 その上で 「全員がその場にとどまる必要はなく、福島第二原子力発電所などに移そうと検討していた」 と証言した。

一部を撤退させようと検討した理由については 「2号機の状況が相当切迫しており、危険性があるかもしれなかった」 と語り、撤退させる人数や人選は「本店では判断しかねた。 所長が選んだということだと思う」 と説明した。

全員撤退と誤解した菅氏が15日未明に東電本店に乗り込んできた際の状況に関しては 「大変激しい口調で、全員撤退はあり得ないと叱責 (しっせき) された」 と説明。 その当時の認識については 「我々がまったく考えてもいない全面撤退をあり得ないと言ったので違和感があった」 と述べた。


東電側の主張

  • 福島第一原発から全面撤退するようなことは全く考えていなかった
  • それは菅総理の答弁にも裏付けられている
  • 従って東電本店へ菅総理が乗り込んできて「全面撤退は許さない」と叫んだ意味が分からない

■官邸側の主張

菅前総理の証言

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120228/t10013355591000.html NHKニュース【リンク切れ】

菅前総理大臣は「今回の原発事故で最も深刻だったのは、3月15日未明からの『東電撤退』を巡る
動きだったと考えている。これに関して、私が『東電撤退』を拒否し、政府と東電の統合対策本部を
設置したことを公平に評価し、『今回の危機対応における1つのターニングポイント』などと結論づけ
たことは、大変ありがたい。今回の調査報告をはじめとする、さまざまな調査、検証を踏まえ、
私としても再発防止にあらゆる力を尽くしていきたい」というコメントを発表しました。

枝野前官房長官の証言

前首相の東電乗り込み、危急存亡の理由が : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 枝野氏は、清水氏の発言について「全面撤退のことだと(政府側の)全員が共有している。そういう言い方だった」と指摘した。

 枝野氏によると、清水氏はまず、海江田氏に撤退を申し出たが拒否され、枝野氏に電話したという。枝野氏らが同原発吉田昌郎所長や経済産業省原子力安全・保安院など関係機関に見解を求めたところ、吉田氏は「まだ頑張れる」と述べるなど、いずれも撤退は不要との見方を示した。

 菅氏はこの後、清水氏を首相官邸に呼んで問いただしたが、清水氏は今後の対応について明言しなかったという。このため、菅氏は直後に東電本店に乗り込み「撤退などあり得ない」と幹部らに迫った。

※しかし枝野前官房長官は3月18日の記者会見で時事通信の記者から全面撤退について聞かれて撤退を否定している。
平成23年3月18日(金)午前(10:55〜)-内閣官房長官記者会見 http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4554.html
35:20あたりから

時事通信記者:今日の報道で発生後、東京電力が発電所から
職員を『全面撤退』するという意向を
政府に打診したという報道があるんですが、そうした事実はあるのでしょうか。


枝野長官:私は承知をしていません。

菅直人の側近らの証言

東京新聞:ページが見つかりませんでした(TOKYO Web)

証言したのは、福山哲郎元官房副長官と池田元久元経済産業副大臣、北陸先端科学技術大学院大副学長の日比野靖元内閣官房参与。
 福山氏によると、1、3号機の爆発後、2号機の原子炉で空だきが始まった三月十四日夜、官邸に「東電撤退」の一報が入った。当時の海江田万里経産相や枝野幸男官房長官に、東電側から電話が入り、撤退と受け止めた。
 十五日未明に政治家ら数人で話し合った後、菅氏の意向を聞くこととなり、仮眠中の菅氏を起こして報告。菅氏は「撤退なんかありえない」と話した。
 菅氏は「海外からやってくるぞ」「このままでは東日本全体がおかしくなる」「決死隊をつくっていくしかない」と話し、強い危機感を示したという。
 菅氏は東電の清水正孝社長(当時)を官邸に呼び「撤退なんかありませんから」と通告。清水氏は「はい、分かりました」と応じた。

官邸側の主張

  • 東電側は確かに全面撤退というような言い方であり、官邸は皆そう受け止めた
  • 従って菅総理の東電乗り込みも当然のことであり評価されるべきことである


■感想

個人的には東電の主張のほうが証拠も揃っていて有利に思えるし、統合本部設置後に第一原発で部分撤退した(残った人々はフクシマ50と呼ばれた)のを見ると話の筋も通っていると思う。

一方、官邸側は証言に変遷が見られるし、「撤退のような言い方だった」とか「そう受け止めた」とか全面撤退とはっきり断定していえないところも苦しい。

なにより東電が言うように「官邸での清水の全面撤退否定」を認めた菅の予算委員会での答弁と全面撤退阻止・東電乗り込みは矛盾している。

官邸側の主張でこの矛盾を説明するのは中々難しいのではないだろうか。

超いい加減な東電という会社の主張を支持することには少し躊躇わせるものがあるが、東電本店で菅が行った演説の録画があったとか聞くと、やっぱりカードは東電側のほうが持ってるなあとも感じる。

まあ、全面撤退という話があったのかそれとも勘違いの果ての話なのか最終的な評価は内閣の事故調査検証委員会や国会事故調査委員会の最終報告を待つしかない。

とりあえず「東電撤退」についての話は最終報告がでる6月ごろまで一旦これで終わりにしようと思う。



了。