原発ゼロにより崩壊する脱原発運動と復活する原発依存体質

全国の原発が停止した。

そのことに対して原発に否定的な人たちが喜んでいる。

原発ゼロ元年の年頭にあたり (内田樹の研究室)

内田樹のように多くの脱原発派が喜んだりしているが

実際は原発ゼロは脱原発派が自壊していくのと同時に原発依存体質が復活するはじまりなのだ。

原発再稼働を巡って分裂していく脱原発

そもそも脱原発派というのは中長期的に出来るだけ速やかに確実に再生エネルギーの割合を高め原発依存からの脱却を目指そうという人たちの集まりでしかない。

再生エネルギーが軌道に乗るまでの間、原発の稼動を容認するかどうかという最も重要で喫緊の課題に対しては意見集約されないまま集まった集団なのだ。

そして原発全停止という事態になり、当面原発を容認するかどうかという先送りしてきた問題を脱原発派は直視しなければなくなった。

現在、反原発派に引っ張られるように脱原発派の多くの人が原発再稼働絶対反対を必死に叫んでいる。

しかし、今後燃料費の高騰や計画停電などで経済や市民生活に影響が出始めると、当面の原発再稼働は容認しつつ本来の目的である中長期的な再生エネルギーの促進に力を注ごうという脱原発派の人たちが増えてくるだろう。

再稼働反対に関して急進派と穏健派に真っ二つに別れて互いを攻撃しあうという、イデオロギー運動が崩壊するおきまりパターンになる可能性が高い。

原発ゼロというのは当面の電力をどうするのかということに対しコンセンサスを持たない脱原発運動が自壊していくはじまりなのである。

原発依存体質復活を招く原発ゼロ

このまま原発全停止で電力不足が続くとどうなるか?

やはり原発が必要だということで原発依存体質が復活することになる。

枝野経産相も次のように危惧している。


風知草:枝野幸男の弁明=山田孝男
http://mainichi.jp/opinion/news/20120423ddm002070092000c.html

(私は)基本的に脱原発ですが、すべての原発をこのまま止め続けた場合、無理な節電と電気代値上げは避けられず、中小企業倒産、雇用不安の連鎖で社会が混乱する。そうなると定着しかけた脱原発の機運もしぼんで(原発)依存体質が完全に復活してしまい、手がつけられなくなる。ボクはそれを一番恐れているんです


現状は枝野が恐れる事態に向けてまっしぐらに進んでいるように見える。

再生エネルギーが原発の代わりとなるのはまだまだ先にもかかわらず原発再稼働のめども立たず、火力発電所の限界に近い稼働とコスト度外視の燃料費と大規模な節電で何とかやっているのが現状なのだ。

こんな緊急避難的なやり方が何年も続くはずもなく、おそらくどこかが早々にパンクし経済と市民生活に大きな混乱が生じるだろう。

原発全停止による経済と市民生活への悪影響が表面化する前に原発再稼働できればいいが、一旦原発ゼロにしてしまったために再稼働のハードルはかなり上がってしまった。

したがって電力供給の不安定化という問題に解決の見通しが立たないままgdgd時間を浪費し、中小企業の倒産などの原発停止の悪影響が表面化して原発依存体質復活に脱原発から世論が一気に動くという可能性はかなり高くなったといえるだろう。



40年ぶりに原発ゼロになったということで原発再稼働に反対している人たちが喜びの声を上げているが、原発全停止により明らかになったのはむしろ彼らの展望のなさの方だといえるだろう。