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なぜ左派は負け続けるのか

なぜ日本の左派はこんなに弱いのか?ネトウヨが歴史を振返りながら考察するブログ

【政治】日本の政治を歪めた『古い自民党』というレッテル貼り

朝日新聞デジタル:「元の自民党に戻りつつある」民主・輿石氏 - 政治

 安倍晋三首相の所信表明で、政権の目指す方向が見えてきた。本来の自民党に、元の自民党に戻りつつあるということだ。安倍首相はしきりに「額に汗をして働く人たちが報われる、まっとうな社会」と繰り返し言っていた。なのに、生活保護は減額をしていく。地方交付税も減らしましょうと言う。私たちとの違いが必ず見えてくる。国会戦術では安全運転で行くようだが、「そうはいかない」という国会対応をしていかないといけない。(記者会見で


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 これは、まっとうな経済政策なんです。4年前、オバマ米大統領は、必要な橋を造り、人々を結びつける道路を造り、そして、商業を盛んにする様々なインフラをつくっていく、と発表した。日本の新聞や経済界も、それを評価したんですよ。でも、同じ人たちが自民党の公共投資を批判している。おかしいじゃありませんか。バラマキとか、古い公共事業だとか、古い自民党だとか、もうこのレッテル貼りはやめましょうよ。まじめに経済を議論していきましょうよ。我々は、やるべき公共事業を当然やっていきます。


こういう、自民党を『古い自民党』『元の自民党』のように批判する手法はもう長いこと日本の政治を語る上で定番となっている。

しかし殆どの人がこの『古い自民党』というレッテル貼りが日本の政治を歪めてしまった事に気づいていない。


小選挙区制度をぶっ壊した小泉純一郎

先の選挙結果から小選挙区制度は失敗だったという声が広がっている。

しかし実際の所、小選挙区制度を破綻させたのは自民党に『古い自民党』から脱するように求めた圧倒的多くの国民自身なのである。

そもそも小選挙区制度は農村部に基盤を持つ自民党に対抗できる都市部の大政党を生み出すために導入されたものだ。

小選挙区が導入された90年代中盤には既に保革の対立が消え、日本政治における最大の対立軸は利益配分を巡る都市と地方の争いとなっていた。

左のイデオロギー政党であった社会党に変わる政権担当能力を持つ都市部の大政党を作ろうとしたのが90年代の政治改革の大目的であったのだ。

しかしここで何故か公共事業を進める自民党を『古い自民党』と呼ぶ批判が高まってくる。

政治の本を読んでいても橋本、小渕、森など90年代末から2000年代初頭の自民党総理たちは皆こういう批判を猛烈に浴びている。

不思議な話である。公共事業などで農村部に利益配分するのが自民党であり、それを前提として小選挙区制度は導入されたはずなのだ。

しかし政治改革を支持した多くの人々は何故か自民党の地方利益配分を『古い自民党』と批判し、自民党が農村型の大政党から脱することを促した。

そしてその声に応えたのが小泉純一郎である。

小泉は『自民党をぶっ壊す!』と叫び、実際に自民党を農村型大政党から都市型大政党へと生まれ変わらせた。

しかし同時に地方(自民党)vs都市部を前提とした日本の小選挙区制度は破綻することになった。

小泉による自民党の都市型政党化によって本来二大政党制で都市部の大政党になるはずであった民主党は完全に行き場を失ってしまう。

小泉自民党の都市部移動の煽りを食った民主党は小沢の自由党と組むことになる。そしてその小沢は小泉が捨てた地方を吸収していった。

その結果、民主党は保革対立の残滓に加え都市と地方の対立も抱えこみ党内は異様なキメラ状態となった。

その混乱は政権交代という錦の御旗でかろうじて覆い隠されていたが、2009年民主党政権が誕生した途端に一気に吹き出した。それはまだ我々の記憶に新しい。

安倍第二次政権が始まり、民主党を支援していた人々、例えば朝日新聞などが嬉々として『古い自民党復活!!』というレッテル貼りを使って再び批判している。

そういうのを見ると私はニヤニヤしてしまう。

『古い自民党』という批判が結局あなた達が愛した民主党を破滅へと追いやったことにまだ気がつかないのか、と。



■残念ながら歴史は繰り返すことに

日本政治が進む道は現実的には2つしか無い。

自民党が『古い自民党』のままでいることを容認し、新たに政権担当能力を持つ都市型大政党が出来ることを辛抱強く待つか。

それとも政権担当能力を持つのは自民党しか無い現実を受け入れ、自民党に自己改革を促すのか。

『古い自民党』を受け入れるか、自民党しか政権担当能力が無い現実を受け入れるか、このどちらかを受け入れることでしか日本の政治は正常にならない。

しかし未だ日本人はどちらも受け入れられないでいる。

ということは残念ながらこの20年近い迷走と同じ道を日本の政治は歩むことになる。

小選挙区制度のもと、地方に回帰した自民党に『古い自民党!』と鞭をふるい都市政党化を促す一方で新たな都市大政党を求めるという矛盾が続くのだ。

一回目は小選挙区導入から約15年で完全に破綻したが、二回目は何年かかるだろうか。

ただ何年かかろうとも破綻する(結局自民党が残る)のは確実なのだが。

書いていて鬱々としてきた。

何故日本人とはこうも愚かなのだろうか。

農村型の自民党を拒否し、都市型に変わった自民党も拒否し、地方に回帰した自民党も再び拒否しようという。

日本政治において自民党と言う存在は避けて通れない。しかしいまだに多くの人はその現実を受け入れようとしない。

その結果日本の政治は同じ所をグルグル回ることになる。

『古い自民党』というレッテル貼りを見るとその愚かさにニヤニヤさせられるが、その根の深さを考えるとうんざりさせられる。

日本の政治はいつになったらまともになるのであろうか。