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なぜ左派は負け続けるのか

なぜ日本の左派はこんなに弱いのか?ネトウヨが歴史を振返りながら考察するブログ

【政治】違憲選挙無効判決に対する誤解

毎日新聞

衆院選挙区画定審議会(区割り審、会長・村松岐夫(みちお)京都大名誉教授)は28日、昨年11月に成立した衆院小選挙区の「0増5減」関連法に基づく区割り改定案を決定し、安倍晋三首相に勧告した。福井、山梨、徳島、高知、佐賀5県で選挙区数を3から2に各1減するのに伴い、計17都県42選挙区で区割りを見直す。10年国勢調査人口ベースの「1票の格差」は、改定前の最大2.52倍から1.998倍に縮小する。

一票の格差是正とそれに関する違憲選挙無効判決に関する反応を色々と見ているのだが、どうも誤解している人が多いように感じる。

例えば上の記事に対するブコメやツイッターとかでの反応も、『すぐに一票の格差が2倍超えてまた違憲選挙無効判決が出る』とかいうのが多い。

これはおそらく今回の広島高裁の選挙無効判決が一票の格差の大きさに対して出されていると誤解しているのだと思う。

基本的に今回の選挙無効判決と当該選挙区の一票の格差は関係ない。

実際に該当する3つの選挙区とも一般に基準とされている2倍を下回っていた。

では高裁は何について選挙無効判決を出したのだろうか。

下に引用する広島高裁判決要旨を見れば分かるが最高裁の判断を無視して解散したという事に対して出されているのである。

毎日新聞

 ◆区割り規定の合憲性

 11年3月の最高裁大法廷判決は、前回選挙(09年8月施行衆院選)の区割り基準中の1人別枠方式や1人別枠方式を前提とする区割りについて、憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っていたとの判断を示した。12年12月の本件選挙までの間に、1人別枠方式は廃止されたが、1人別枠方式を前提とする区割り規定は是正されなかった。

 選挙制度の仕組みについては、国会に広範な裁量が認められており、是正は一般的に複雑かつ困難で、国会での十分な検討が必要で相応の期間を要する。11年3月11日以降、国会が国難というべき東日本大震災の対応に追われており、通常の場合と比較して、ある程度長い期間を要するのはやむを得ない。

 しかし、衆院は常に的確に国民の意思を反映することが求められている。11年大法廷判決は、できるだけ速やかに1人別枠方式を廃止し、区割り規定を改正するなどの措置を講ずる必要があると示した。憲法は、三権分立制度を採用し、最高裁に違憲審査権を与えている。民主的政治過程のゆがみを是正する必要性は高く、国会の広範な裁量権は制約を受けるべきだ。国会は区割り規定の改正などを優先的に実行する憲法上の義務を国民に対して負ったと解釈するのが相当だ。

 11年大法廷判決でこの義務を国会が負っていることが明らかにされている以上、国会の審議や議決で紛糾することは憲法上予定されていない事態だ。選挙区間の人口格差の「緊急是正法」の施行で審議を再開した衆院選挙区画定審議会は6カ月以内に勧告を行うとされており、国会が国難というべき東日本大震災の対応に追われていたことを最大限考慮しても、11年大法廷判決の言い渡しから1年半の12年9月23日までに区割り規定の是正がされなければ、憲法上要求される合理的期間内に投票価値の平等の要求に反する状態が是正されなかったと言わざるを得ない。区割り規定は本件選挙当時、憲法に違反すると言わざるをえない。

11年に最高裁判決で09年の衆院選は『違憲状態』であり是正措置を講ずる様に求められたにもかかわらず、国会は1年半以上も無視し続けた挙句に09年と同じ区割りで解散をしてしまった。

09年の区割りで解散する事は最高裁の違憲審査権を踏みにじることになるのを認識しながら立法府がそれを堂々とやっちゃった事に対して司法はブチ切れているわけなのである。

こういうわけで今回の違憲選挙無効判決は最高裁が立法府に対して持つ違憲審査権を踏みにじられた事に対して司法がさらに一歩踏み込んだ判断を下したというのが実態で、基本的に一票の格差の大きさがどれくらいというのは関係ない。

確かに一票の格差がどうかというのはまた別の問題としてあるのだが、それと今回の違憲選挙無効判決を一緒に語っている人はそれ誤解してませんかと思うわけである。