なぜ左派は負け続けるのか

なぜ日本の左派はこんなに弱いのか?ネトウヨが歴史を振返りながら考察するブログ

【国際】韓国外交の失敗

最近の韓国外交をみていると拉致問題で大失敗をした日本外交と重なって見える。

当時、北朝鮮の核開発という安全保障問題を優先する米国に対し、日本は拉致問題の同時解決を強く求めた。拉致問題を核問題と同列に格上げし一体化させることで米国を拉致問題に引き込もうとしたのだ。

しかし北朝鮮が核実験を実施した事で米国と日本との優先順位の違いが一気に表面化する。北朝鮮の核という安全保障問題を優先する米国は、拉致問題との同時解決を主張する日本を無視して北朝鮮のテロ支援国家指定解除に踏み切ったのだ。

この後、あくまで拉致問題に拘り続けた日本は米国とも溝が深まり、北朝鮮支援策を巡る外交交渉から外されていく事となった。結局孤立した日本は対北朝鮮の国際連携に復帰する為に拉致問題を引っ込めざるを得なくなり、外交カードとしての拉致問題は事実上無力化した。

日本外交の苦い失敗だが、歴史問題を巡る韓国外交はこれと同じ道を辿っている。

韓国は対北朝鮮(そして対中国)の日米韓連携を拒否する言い訳として歴史問題を押し出した。『日本が歴史問題で我々を怒らせるから日米韓連携が出来ない』と米国に訴えたのだ。

これはつまり歴史問題を日米韓連携という安全保障問題と同列に格上げし一体化させることで歴史問題に米国を引き込もうとしたのである。

しかし米国にとっては安全保障問題、韓国にとっては歴史問題である日本の集団的自衛権を巡って両者の路線の違いが明確になった。日米韓連携の必要性を訴えるヘーゲルに対しパククネは慰安婦問題で激しい対日批判を繰り広げたが、その数日後、日本でヘーゲルとケリーは日本の集団的自衛権行使容認に歓迎を表明した。

歴史問題と安全保障問題は別であり、安全保障問題が最優先であるという米国の方針を明確に示したのである。


■ダメージを負う歴史問題カード

歴史問題と安全保障問題を一体化させることで米国を歴史問題に引き込むという韓国外交の目論見はこうして破綻した。

これから韓国が進む道は二つある。

あくまで歴史問題にこだわり、経済だけでなく安全保障も中国に依存する覚悟で日米と対立するか、それとも歴史問題を引っ込め安全保障を優先し日米と連携するか。

戦時作戦統制権を巡る動きを見ていても韓国には前者を選択するほどの覚悟は到底ない。従って韓国はいずれ対北朝鮮対中国の日米韓連携に組み込まれていく。そしてその動きは早くも出ている。

・韓日安保対話、来月にも再開か
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/21/2013102100438.html

大統領府(青瓦台)の高官は「外交当局が実務的な対話を通じ、韓日関係を改善するきっかけを探る必要がある。首脳同士の会談では目立った成果が得られにくいばかりか、政治的な負担だけを負う危険性がある」と説明。

>目立った成果は得られず、政治的な負担だけを負う危険性
韓国側も良く分かっているようだ。米国が歴史問題に不介入の立場を表明したうえに、歴史問題を盾に日米韓連携を乱す存在と韓国に批判的になった今、パク大統領に残された道は歴史問題でベタ折れして日韓首脳会談に応じることしかない。勿論そんなことをすれば韓国世論から想像を絶するような激しい非難を浴びる事になり、政治的な危機を迎えるのは避けられない。

現在韓国政府が考えているのは、出来るだけ日韓首脳会談を先延ばして時間を稼ぎ、その間に韓国世論が納得できるほどの譲歩を日本から得ることで何とか軟着陸できないかという事だろう。

しかし繰り返しになるが米国を歴史問題に引き込む事に失敗した今、韓国単独で保守の安倍政権から韓国国民が納得するほどの譲歩を引き出す事は不可能だろう。

また、時間を稼いだところで来年確実視されている安倍政権による解釈改憲が行われれば、韓国は今回の日米2プラス2同様に『歴史問題』か『安全保障問題』のどちらを重視するのか改めて迫られる事になる。『歴史問題』を重視し日本を非難すれば米韓関係は悪化し、『安全保障問題』を重視し何も言わなければ韓国民から批判され中韓関係にも溝が生まれる。

そして何より時間をかけると北朝鮮が4回目の核実験などを行う可能性が高くなる。北朝鮮の核という安全保障の危機を前にしても歴史問題に拘り続けるのかどうか、韓国は最終的な選択を迫られることになる。

このようにパク政権の外交は既に詰んでいる。

今回の韓国外交の失敗は『歴史問題』カードの力を大いに減らす事となった。それはかつて日本外交の失敗で拉致問題の影響力が著しく低下したのと同じである。

外交の中で位置づけが曖昧であったからこそ、『歴史問題』は多方面に影響力を及ぼしてきたが、今回の事で米国の安全保障体制内では『歴史問題』はその枠組みに影響を及ぼさない事が明確になった。それはつまり日米韓連携の中では韓国の『歴史問題』カードが事実上封じられる事を意味する。

まだ今のところパク大統領は『歴史問題』を抱えたまま日米韓連携の入り口で悪足掻きをしているが、中国に安全保障まで依存する気がない以上日米韓に進まざるを得ない。そして米国が突き放し日本が譲歩しない以上『歴史問題』を捨てざるを得ない。

勿論ナショナリズムが暴れている韓国世論から激しい非難を浴びるだろうが、大統領自身それを煽ったところもあるので自業自得だろう。そういえば拉致問題テロ支援国家解除以降も日本が外交方針を変えられなかったのは国内世論の為でもあった。強硬論一色になってしまうと外交の幅が狭まり、結局は国益を害するという事を改めて認識させられる。

まあ、それはともかくこの一年近く続いてきた歴史問題と日本、米国、韓国を巡る騒動はもうそう遠くないうちにパク大統領の完落ち、ベタ折れで幕を閉じるだろう。そして今回の韓国外交の失敗により歴史問題はその影響力を著しく低下させる事になる。