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なぜ左派は負け続けるのか

なぜ日本の左派はこんなに弱いのか?ネトウヨが歴史を振返りながら考察するブログ

【政治】河野談話継承を明言した安倍政権の狙い

慰安婦問題を巡って国内状況が著しく変化していることに正直驚かされている。

 

まず、安倍総理と菅官房長官の発言が朝日新聞に載っていたのでまるまる引用する。

河野談話をめぐる安倍首相・菅官房長官の発言詳細:朝日新聞デジタル

 14日の参院予算委員会での河野談話をめぐるやりとりの詳細は次の通り。

 有村治子氏(自民) 河野談話の内容は歴史的事実と受け止めているか。

 安倍晋三首相 歴史認識については、戦後50周年の機会には村山談話、60周年の機会には小泉談話が出されている。安倍内閣としてはこれらの談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる。慰安婦問題については筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛む。この点についての思いは私も歴代総理と変わりはない。

 この問題についてはいわゆる河野談話がある。この談話は官房長官の談話ではあるが、安倍内閣でそれを見直すことは考えていない。歴史に対して我々は謙虚でなければならないと考えている。歴史問題は政治・外交問題化されるべきものではない。歴史の研究は有識者や専門家の手に委ねるべきだと考えている。

 菅義偉官房長官 河野談話については、第1次安倍政権閣議決定された答弁書に示している通り、政府の基本的立場は官房長官談話を継承するということだ。

 有村氏 河野談話が発表されて、日本は何を得たのか。韓国は何を得たのか。

 菅氏 去る2月20日、衆院予算委員会に当時の事務方の責任者だった石原(信雄)元官房副長官が出席されて、その経緯について証言した。石原氏の証言によれば、この河野談話を作成する過程の中で、韓国側との間ですり合わせが行われた可能性を指摘したうえで次のように証言されている。「河野談話によって過去の問題は一応決着した、そしてこれから日韓関係は未来志向で行きましょうということで取りまとめが行われ、当時はそれによって韓国政府はこの問題を再び提起することはなかった。しかし、最近になって韓国政府からこの問題が再び提起される状況を見て、当時の日本政府の善意が生かされておらず非常に残念だ」と。だから政府としては、河野談話作成過程において、その実態を把握することが必要だし、しかるべき形で明らかにするべきだと思っている。

 有村氏 どう検証するのか。

 菅氏 石原氏の証言の中で、やはり3点が大事だったと思う。1点目は元慰安婦の聞き取り調査結果について、裏付け調査を行っていないということ。2点目は、この作成過程で韓国側と意見のすり合わせがあった可能性。そして3点目は、当時の日本政府の善意が生かされておらず非常に残念であるということ。こうしたことを踏まえ、韓国側との意見のすり合わせがどうだったか、その可能性についてはやはり検証する必要がある。また、元慰安婦からの聞き取り調査、これについては個人を特定しない、非公開ということが前提で行われたという経緯もある。機密性を保持する中で政府として確認することは必要だろうと思う。 

 最初に、安倍晋三村山談話、小泉談話、そして問題となっている河野談話の継承を明言した。これは非常に大きい。靖国参拝で危機を迎えた日本外交は河野談話見直しで完全に破綻する可能性すらあったが、最悪の事態を避ける事ができた。

 

そして靖国参拝で揺らいだ日米関係もウクライナ危機により日米が再接近する中で(というかウクライナ経済支援を見越して米国から接近してきた)、安倍政権河野談話継承を明言した事によりハーグでの日米首脳会談とオバマ訪日の見通しはかなり明るくなった。これにより日米関係は正常に戻る事になるだろう。

 

ただ、これよりも驚くべきは菅官房長官の発言である。

 

■『広義/狭義強制』論争からの脱却

河野談話継承と再検証は矛盾するではないかという主張はちらちら目にするが、その人たちはまだ日本政府が何を狙っているかがよく分かっていないのだろう。

 

日本政府の狙いについて菅官房長官は明確に述べている。

菅氏 石原氏の証言の中で、やはり3点が大事だったと思う。1点目は元慰安婦の聞き取り調査結果について、裏付け調査を行っていないということ。2点目は、この作成過程で韓国側と意見のすり合わせがあった可能性。そして3点目は、当時の日本政府の善意が生かされておらず非常に残念であるということ。こうしたことを踏まえ、韓国側との意見のすり合わせがどうだったか、その可能性についてはやはり検証する必要がある。また、元慰安婦からの聞き取り調査、これについては個人を特定しない、非公開ということが前提で行われたという経緯もある。機密性を保持する中で政府として確認することは必要だろうと思う。

 

つまり

・談話作成に韓国政府が関与していたかどうか調査する。

・談話は『日本の善意』でなされたものである事を再確認する。

 

この2点である。特に最初の『河野談話に韓国政府が関与したか』が最大のポイントである。ちなみに元慰安婦の聞き取り調査結果については裏付け調査が行われるものの、これについては公表しないため実質的には行わないに等しい。

 

何故河野談話に韓国政府が関与していたことがそんなに大事なのか?それは韓国政府が河野談話を反故、受け入れなかったからである。

 

当時何があったか簡単に言うと、韓国政府は慰安婦問題について国内世論を抑える為に日本政府に『誠意』を求め、日本政府は善意で韓国政府の協力のもと河野談話を発表したが、法的責任を認めないことに韓国国内の挺対協といった団体が猛反発し韓国政府は河野談話を受け入れず、その後作られたアジア女性基金からの償い金も韓国だけが受け付けなかった。

 

つまり韓国政府は自ら談話作成を日本に働きかけ大きく関与しながら、実際には和解を拒否し更なる譲歩を求めているのである。

 

石原信雄元官房副長官はこの点に非常に憤っているわけで、また東郷和彦など河野談話見直しに厳しい批判をしていた外務省OBも韓国の不義理に非常に怒っており世界に相手にされない強制の有無といった論点よりもここを攻めるべきと言っていたように記憶している。

 

しかし慰安婦問題に拘る国内の右翼は広義/狭義の強制ばかりに捕らわれ世界に相手にされず国際舞台でオウンゴールばかり決めていた。

 

これはもうダメかな、と諦めていたところがこれである。

 

河野談話が日韓政府共同の産物であるという事が明らかにできれば、韓国政府が河野談話を受け入れなかった事が改めて問われる事になる。

 

繰り返しになるが、韓国は河野談話村山談話も受け入れていない。受け入れていないから他のアジア諸国と異なり韓国とだけ未だに揉めているのである。

 

村山元総理が2月に訪韓したが、挺対協の反応はこのとおりだった。

韓国:挺対協「村山元総理は歓迎できない」

このような人々に押されて韓国は村山談話を受け入れていないのである。

 

しかし『広義/狭義強制』という愚かな論点の為に、こういう韓国の真実の姿は世界から見えなくなってしまっていた。が、ようやっと日本政府はここに光を当てようとしている。

 

これが最高に上手いこといけば、韓国を慰安婦問題で和解したアジア諸国と分離する事ができる。勿論中国とも離す事ができる。何故他の国は和解したのに韓国だけ受け入れないのか、そこにスポットを当てられる。

 

韓国政府は日本政府に向かって河野談話村山談話継承を明言せよといっているが、これは本当噴飯もので、実際は韓国政府自身が河野談話村山談話を否定しているのである。

 

河野談話作成に関与しながら反故にし、日本政府の法的責任までもぎ取ろうとする恥知らずな韓国。最終的に『世界で唯一河野談話を否定する国』、『和解を拒否し元慰安婦を苦しめる国』というレッテルを韓国に貼ることが出来れば日本の大勝利である。そこまでいけるかは分からないが、とりあえず『広義/狭義』論争という不毛な論争から抜け出したことだけでも大きな一歩であるのは確かである。

 

もう一つ、おそらく米国の理解も得られていることも心強い。河野談話継承と再検証について、米国政府は河野談話継承を好意的に受け止める一方で再検証については触れなかった。またNYタイムズも記事の修正に応じた。これは談話再検証が『元慰安婦証言の否定』や『強制性の否定』といった河野談話の核部分に触れるものではないという事を米国側がしっかりと認識し再検証に暗黙の了解を示している事を意味している。

 

一方で韓国政府やメディアは談話再検証があたかも『強制性』の否定であるかのように騒いでいる。しかし上のように菅官房長官は全く強制性について触れていないように狙いはそこではないのは明らかである。勿論韓国としては圧倒的に有利な『広義/狭義強制』のステージで戦いたいのだろうが、既に日本は立ち位置を変えつつある。そして米国もそれを理解している。このような米国と韓国のズレを広げていく必要がある。そして最終的には世界と韓国とのズレを広く明らかにする事ができれることができれば・・・。先は長いがまずは好調なスタートを切った。

 

最後に、今回の件で垣間見えるのは官邸で安倍晋三の側近達が影響力を著しく落としている可能性があることだ。談話の継承と再検証のあの落し所はどう見ても外務省が主導したとしか思えない。おそらくは靖国参拝に続く一連のやらかしで権力の中枢から排除されたのだろう。ただ単にオバマ訪日を控えて米国が苛立つ言動を控えてるだけかもしれないが。しかし今回の安倍と菅の踏み込み具合を見てまあ間違いなく親米派の官僚達が官邸の主導権を握ったのだろうと思う。